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絵本の学校


おはなし絵本の会 連続講座 絵本の学校
  おはなし絵本の会 第14期は定員となりましたので締め切りました。
第1回要約 講師:tupera tupera先生
講師:tupera tupera先生
ワークショップは十年間続けてきて、いろんなところでいろんなことをやってきました。みんなで顔をつくったり、町をつくったり、海をつくったり。『やさいさん』(学研)のカード畑をみんなで作って、それを集めて大きな畑にしたりとか。そういうとき、みんな野菜は植えないんですよね。お父さんとか植えちゃったりする子もいて。僕のワークショップっていうのは、教えないワークショップです。顔ノートと一緒です。ベースはあるんだけど、あとは勝手に本人がやって、正解・不正解はない。本人がやったものが正解。たとえば、町を作る場合は、前日から、町の土台だけしっかりとこっちで作るんです。で、当日は、もう勝手にやってくださいって言うと、みんな勝手にやる。野菜もそうで、勝手になんでも植えてくれる。海だったら前もって巨大な海の蛇腹を用意しておくと、そこで作り手同士の会話みたいなのが生まれたりしてね。だれかがちっちゃい人を作ったら、横にサメをつけちゃったり。最後は、みんなで発表する。それは大事にしてますね。最初に話をして、最後にワークショップの発表をする。間はこっちは一切話さない。一個のテーマで個性がこれだけ生まれるっていうのをみんなにわかってもらいたいと思ってます。他人の個性と自分の個性を再認識するっていう意味で、ワークショップってものすごくおもしろいんです。


第2回要約 講師:なかがわ ちひろ先生
講師:なかがわちひろ先生
原書のタイトルにない「もじゃもじゃ」をつけたその気持ちについてちょっとお話したいと思います。もし、これを見て何か絵本を思い出した方がいたとしたら、すごいなあと思うんですが…。そうです。『もじゃもじゃペーター』っていう絵本。私がこれを読んで即座に思い浮かべたのがこの絵本なんです。この『ヒュー・シャンプー』の原書を見ていると、どことなく、かわいいのにどことなく不気味じゃないですか? イケガキさんの奥さんの髪の毛、ズバーッとお団子を切るなんて、一歩間違ったら首じゃないですか。そのすごさといい、ちょっとドイツの黒い森を感じるような気がして。『もじゃもじゃペーター』という絵本は、子供に向けて書かれた最初の絵本なんていうふうに紹介もされているものです。いろんな話が入ってるんですけど、例えば、髪の毛やつめをのばしてまったく切らなかったらこうなるよとか、くしでとかしたこともない髪の毛はこんなになってしまうんだよっていうふうに、おどかしてしつける古典絵本です。このもじゃもじゃ頭っていうのは、子どもの持っているワイルドネスというか、生まれたまんまの自然というか、そういうものの象徴のようです。子どもは生まれっぱなしじゃなくって、それを私たち大人が、人間社会っていうのはこういうお約束でできてるからねってしつけていくわけです。
そうやって考えると、『もじゃもじゃヒュー・シャンプー』は、ある意味「二十一世紀版もじゃもじゃペーター」なんですよ。お話としては、結果的にハッピーエンドで、なんだかすごいご都合主義だなっていう気がしちゃったりするけど、でも、読み替えると、実はヒューは結局パパとママがこうしなさいということに従ったのではなく、自分の思うとおりに考えて自分の大切な人のために一生懸命、野生を発揮して、突っ走って突っ走って、やりたい放題とことんやってめちゃくちゃになったら、ぱっといいものが手に入り、十分満足した結果、「あ、これじゃまずい」と、自ら気がついて、「シャンプーして」と叫び、髪の毛を切ってもらうということなんですね。だからね、脅かされてやるとかいうことではなく、子ども自らの気づきで十分カタルシスがあったあとで、「うん、もう満足した、ぼく、こうする」と言ってやったわけですね。よく出来てる本だなと思います。
しかし、この物語のそんなメッセージを子どもに理解して欲しいかというと、そんなことはまったくなくって、ただひたすら、このむちゃくちゃ加減とか、オノマトペのチャッチャカチャッチャカとかっていうのを楽しんでもらえればいいんですね。最初、髪の毛なんかとかさないっていうところで、「え、うそだろ!」っていうような楽しみ方をしてもらうことがむしろ正しいと思う。子どもは想像力をびよーんと引き延ばしして、大きく笑って楽しんでくれればよいし、大人としては、その笑顔を楽しめばよくって、でも、その一方で、ちょいと深読みして、大人というのはね、何かと裏を読み先を読みますから(笑)、『もじゃもじゃペーター』が出たのは十九世紀半ばだけれども、いまの二十一世紀はこういうふうに子どもと大人が接していくんだなとか、子どもなりの開放の仕方とは…とか、そういうことを考えてみても、大人の楽しみ方として楽しめるんじゃないかなと思っています。


第3回要約 講師:平田昌広先生・平田 景先生
講師:平田昌広先生・平田景先生
『すいかのめいさんち』という絵本では、ぼくがいろんなことを想像しています。すいか、ストローを差し込んでちゅーって吸いたいって思ったことないですか? あとね、すぱって半分に切って食べたいですよね。こだまスイカだったらやっちゃうでしょ。こんなふうに、作者がいろんなこと想像して、絵本の中にはいっぱい詰め込んでいます。私はですね、想像力っていうのは、非常にざっくりですが、二つに分かれると、勝手に思っております。ひとつは、果てしなく広がる作家の想像力の塊がだーっと子どもに提示される、ものすごくでっかい想像力。長新太さんのようなすごい偉大な作家さんの脳みその中ってどうなってるか、はっきり言ってわかりません(笑)。もう一つ、自分たちははっきり言って凡人ですんで、そんな想像力ぜんぜんないです。でも、想像力の種っていうのはね、いっぱい身の回りにあると思います。長さんだったらもっととんでもないスイカの食べ方をすると思いますけど、私どもはせいぜいスイカにストロー差し込んでちゅーちゅーすっちゃったり、半分にすぱっも切ってすくって食べたり。でも、もともと想像力っていうのは、身の回りのちいさなところにいっぱいあると思うんです。私たちは、その細々とした身の回りの想像力の種を差し出して、そこから子どもたちがいろんなことを想像してくれたらいいなと思っています。一つは作家の無限な想像力をダッと提示するっていうもの。もう一つは身近なところから想像力の種を提示して、それを子どもたちが育てていくもの。その種をみんなで育てて、ゆくゆくは長新太が出てきたら、それはすごいですからね。そういう意味で、ざっくり大きく二つに分かれるんじゃないかなと思っています。
そして、なんと『みかんのめいさんち』っていうのが来年度の冬に出るんです。これにも歌をつけたくて、替え歌をつくってみました。
みかんぽんかんなつみかん みかんのめいさんち
いよかんきんかんでこぽん みかんのめいさんち
みかんのめいさんち うつくしいところよ
あきかんすてたらいけないよ みかんのめいさんち
楽譜をつけるかどうかはわかりませんが、楽しみにしてください。


第4回要約 講師:山村浩二先生
講師:山村浩二先生
二十代のころはそれほど絵本に興味がなかったんですが、絵本の仕事が増えてきたせいもあってか、古い絵本を買うのが少しずつ最近楽しくなってきました。映画祭に呼ばれて海外に行く機会がたびたびありまして、年にだいたい五~六回、いろんな国をめぐるんですけど、行くたびに買ってます。自慢したい絵本もあるんですけど(笑)。やっぱり印刷されたものとか、紙とか質感がぜんぜん違う。現代ももちろん印刷技術は様々発達してるんですけどね。たとえば『すてきな三にんぐみ』のアメリカの初版のものなんか、今日本で出版されてる色と比べると、もうブルーの色がまったく違うんですね。同じものとは本当に思えないくらい美しい。『もじゃもじゃペーター』も、初版はとても手に入らないものですが、それにかなり近い年代のものを、こないだドイツでみつけて喜んで買って来たり…。絵本もアニメーションも、どうしてもメディアに載せるわけです。画家っていう人は、絵そのものを飾るのが画家で、それが作品で、見る人にもそれが直接届くわけですけど、ぼくらは、一回印刷したり、映像の場合はプリントしたり放送にのったりっていう一回何かのメディアを通さないと、人々には届かないわけです。いわゆるどちらも複製芸術、コピーの芸術なわけです。その中でなるべくその複製する段階で描いたものの情報が少しでもなくならないように、欠落しないように、工夫をする。絵本でも色校正っていうのがあって、まず最初の印刷があがってくると原画と見比べてこの色が違う、あの色が違うってやるわけです。実際の絵本は様々な画材で、いろんな発色のインクや画材を使うことができるわけですけど、絵本の場合一般的には、四色、シアン・マゼンダ・イエロー・ブラックの四色を網がけして、濃さを変えて、紙の一番明るいところは白の色から黒までっていうところで、再現をするわけです。原画で使ったインクをそのまま使うわけではないので、置き換えているので、どうしても100%原画と一緒になるってことはなかなかないわけです。印刷所も職人の世界でして、印刷所によってもぜんぜんこの技術が違うんですね。同じ原画を持っていっても、同じようには出来上がってこないんです。さらに、色校正で見て、「もう大丈夫だ、ばっちりだ」って思って印刷して出来上がってみたら、ちょっとなんか違うってこともあるんですね。本番の印刷をするときに、ちょっとしたインクの盛り方とかで色の具合とかかわってきたりとかして、結構デリケートなものなんですね。ですから、版を重ねたりするとそのたびに多少色がちょっとかわったりってこともおこるわけです。編集の方は苦労されてると思いますけど、そんなこと気にしてるのは制作者だけで、読者はその中の一冊を見てこれが本物だと見てるわけです。こちらとしては、その本物だって見てるところに、一番いいものを見ていただきたいっていう思いがあるわけです。


第5回要約 講師:こが ようこ先生
講師:こが ようこ先生
絵本も大好きなんですけど、語りでもよくお話をしています。絵本の世界っていうのは、私が絵本の声を出しているんですけど、絵本が真ん中にあって、私もいっしょに絵本をのぞいているんですね。聞き手のみなさんと、読み手の私も一緒に絵本をのぞきこむような形で読んでいるっていうのが絵本の読み聞かせの世界かなって思うんですけども、語りっていうのはまったく違って、一人一人のお顔をみながらお話をするんですね。なんにもないので、目を合わせながらお話をするわけです。そのとき、私は語りの間の短い時間一瞬一瞬で皆さんのほうを見ているだけなので、一人一人とは一回目が合うだけ程度かもしれません。でも、「あ、自分に語りかけてもらってるんだなあ」と、子どもたちは感じてくれるみたいです。おとなの方もそうだと思うんですけれども…。語りは、目と目がしっかりあって、コミュニケーションがその場でしっかり取れる。なので、お話を語らせていただくと、初めて出会った方たちともすぐに仲良くなれて、帰るときには前からのお友達のようにいろんなことをお話してくださったりします。ほんとに短い時間、二分とか三分のお話なんですけれども、何かその間につながるものがある。私は、以前、六年間くらい観光客ばっかり来るようなところでお話をしていたんですね。そこで、出会うのは一瞬なのに、自分のこと、例えば、子どものときの話とか、今日はこういう出来事があってねとか、こういう旅行でこういうふうに回って来てねとか、実は被災地の子どもはこうなんですよとか、いろいろお話をしてくださる。お話が終わって帰るときに、別に私は話してくださいっていってないのに。それは、すごくおもしろい、貴重な経験だなと思いました。だからね、私、絵本の世界もすごく好きなんですけども、この語りっていう世界もまた違ってすごく楽しいなって思っています。パネルシアターとか手遊びなどのツール、これらは独立したものなので、別にコミュニケーションをとるために生まれたわけではないんだけれども、そのツールを使っていくことで、いろんな方とつながることができて、すごく幸せだなあというふうに感じます。私はすごくお話が好きで絵本が好きで、これしかできないので。みなさんもそんなつながりを感じる時間や場所があることがうれしくて、お話会や読み聞かせをされているんじゃないかなと思っています。また明日からもお話をいっぱいしてくださいね。


第6回要約 講師:西本鶏介先生
講師:西本鶏介先生
子どもの本を書く作家たちというのが大変な危機的状況にあると思います。なぜかといいますと、かつては童話作家として活躍していた人が、本は売れない、出版もできない、食べていけない、という人がものすごく増えてきたんですよ。かと思ったら、子ども相手にゲームしたりしてるおじさんがおもしろいお話書いて売り歩いている人もいます。そういう人はいいけれども、童話作家として書いてる人いない。なぜそういうふうなことになったのかっていろいろ考えてみますとね、やっぱり、疲弊してるんですよ。みんな。文化と同じで。本当に優れた作家がなかなか出てこない。若い人にも、童話を書きたいと持ち込んだりする人いるんですけれども、ほんとにおもしろくて楽しい、あるいは心に残る作品を書く人が非常に少なくなった。つくづく痛感するんですね。ですから、ステキな子ども向けの幼年童話をお願いするというと、もう八十代の作家に頼まなくちゃいけない。例えば、『魔女の宅急便』を書いた角野栄子さん、それから、森山京さん、あまんきみこさん。みんな八十歳を過ぎてるわけです。ほんとうなら引退してるんですよ。下から追い上げられないから、いつまでも上にいるわけですね。実は私ももう八十歳になったんです。だから私の本が課題図書になったってしょうがないんですよ。若い人の作品がならなくちゃ。つまりもっと勉強して欲しいんですよね。ところが、きちっとテーマを考えて書く才覚がある人が少なくなっちゃった。ちゃんとおとなにもアプローチするように書くのは、才能っていうか、なかなか技術がいるもんでして。課題図書になった『まよなかのたんじょうかい』なんかは、社会問題、母子家庭、それから、最近病院たらいまわし、そういういろんなことを勘案してですね、お話を書いたんです。なかなか大変なんですよ、こういうのを考えるのはね。昔はもっと優秀な人がいっぱいいたような気がするんですけど、今は非常に少なくなったと思います。


時間 講義:午後6時30分~8時00分(受付開始・午後6時)
会場 鈴木出版(株)3F会議室(JR山手線巣鴨駅下車・徒歩8分/または都営三田線千石駅下車・徒歩4分)
定員 40名(定員になり次第締め切らせていただきます)
内容
5月
講師
tupera tupera先生(絵本作家)
『自作絵本を語る』
  絵本を描くようになったいきさつや自作絵本の制作過程などをお話していただきます。
6月
講師
なかがわちひろ先生(翻訳家・絵本作家)
『翻訳絵本と創作絵本を語る』
  翻訳絵本と創作絵本の魅力についてお話ししていただきます。
7月
講師
平田昌広先生・平田景先生(絵本作家)
『自作絵本を語る』
  自作絵本の制作のおはなしや、お二人の掛け合いが楽しい絵本ライブをしてくださいます。
9月
講師
山村浩二先生(絵本作家)
『絵本とアニメーション』
  絵本の絵を作り上げていく様子をアニメーションのことも交えながらお話ししていただきます。
10月
講師
こがようこ先生(語り手、絵本コーディネーター)
『どんなおはなししようかな』
  絵本の読み聞かせやおはなしの語りについてお話していただきます。
11月
講師
西本鶏介先生(昭和女子大学名誉教授・児童文学者)
『最近の絵本と童話』
  本講座のまとめとして、最近の絵本と童話について語っていただきます。
協賛 鈴木出版(株)/(株)金の星社
受講料 6,000円(第14期全6回分)
ただし、園としてお申し込みの場合は、賛助会員(年会費10,000円)になっていただくと、1園から2名様まで無料で受講できます(代理聴講も可)。
特典
A:会報「おはなし絵本の会」、月刊絵本『こどものくに』進呈。
上記2点は各回受講の際にお渡しします。
B:おはなし絵本の会主催の他の講座などの受講料割引。
申込方法 受講申込書にご記入のうえ、受講料を添えて鈴木出版担当者にお渡しください。
または、申込書を郵送かFAXにてお送りいただき、受付完了後、郵便振替(口座番号;00140-6-606202 口座名称;おはなし絵本の会)に受講料をご送金ください。
申込締切 定員になり次第締め切ります。
問い合わせ

おはなし絵本の会(鈴木出版内)
   〒113-0021 東京都文京区本駒込6-4-21
   TEL:03-3947-5161 FAX:03-3947-5144
  E-Mail:ehon-1@suzuki-syuppan.co.jp

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